トラベルライターは、旅行が好きでたまらない人なら、一度は憧れたことがあるのではないでしょうか。好きな旅行をしながら、記事を書き生計を立て、旅費を稼いでまた旅に出る、という旅行を生活の日常とする人々がいます。
しかし、トラベルライターを職業として考えると「稼げない」「食べていけない」というイメージがあるのが現実のようですね。
本当にトラベルライターは稼げないのでしょうか。好きな旅行をしながら食べていくことは、不可能なのでしょうか。
トラベルライターで稼ぐメカニズム
私は、自分が旅行好きなので、旅先で自称「ライター」という人によく出会います。
ただ、日本人で「ライターやってます」という旅行者には合ったことがありません。それほど日本人トラベルライターが少ないのか、「ライター」と言えるほど稼げていないのか、それとも「ライター」ということを恥ずかしいと思っているのか…。
私も旅行記事を書いて収入を得ているので、職業を聞かれたらトラベルライターと言えると思います。ただし、私の場合は旅行記事だけを書いているわけではないので、名刺には単に「ライター」とだけ書いています。
トラベルライターの場合、旅行記事を書いて収入を得ているわけですが、その収入の出所は人によって大きく3つに分かれます。
- クライアントの依頼を受けて旅行記事を書いて報酬を受け取る
- 自分で旅行系ブログやメディアを運営してそこから広告収入を得る
- その両方から収益を得る(1と2の両立)
依頼された記事を書き報酬を受け取るトラベルライター
以前なら旅行記者と言うと、旅行雑誌や書籍出版のために記事を執筆する人がほとんどでした。しかし現代は違います。ネットがこれだけ普及した現代、多くのライターさんは、ウェブ上のサイトやブログ、大手メディアなどから依頼を受けて記事を書いています。
この場合、企業や事業主と契約関係を結んだフリーランスのライターが多いでしょう。クライアントのタイプや契約内容によって、報酬金額は大きく差があるようです。クラウドソーシングの会社を通して契約する場合と、直接メディアから依頼を受ける方法とがあります。
この場合、成果物である記事や写真、画像を納めて、その原稿料や取材費を受取るという仕組みになります。成果物がOKなら、報酬金額が保証されますが、万が一何らかの事情で納品できなくなると、それまでにどれだけ作業時間を費やしていたとしても収入はゼロになります。
このタイプのライターさんは、長期的に契約してくれるクライアントがいて、やっと安定した収入を得ることができます。旅行サイトはいろいろありますが、常にライターを募集しているわけではないので、自分からアンテナをはって情報収集することが必要かもしれません。
自分でメディアを運営して収益を上げるトラベルライター
一方、自分でブログやメディアを運営して、記事や画像を投稿し、そのメディアから広告収益を得るライターさんもいます。こちらは、厳密に言うと旅行ブロガーとか、ブログアフィリエイターというべきかもしれません。
ただ、旅行ブログや旅行サイトを運営していても、実際に記事を書くのはライターさんに依頼しているという人もいますので、そういった人たちと区別して自分で記事を書きながらブログなどを運営している人を指してトラベルライターと言っても差し支えないと思います。
このケースは、旅行記事を執筆するというスキル以外に、ブログなどのメディアを運営するスキルも必要となります。ブログを立ち上げて記事を投稿しても、ブログへのアクセスが増えなければ収益は増加しません。ですので、上のフリーランスライターのように1記事書けばいくら、という報酬が決まっているものではありません。
しかし、ある程度の記事を書き、上手くメディアを運営できれば、大きな収益を長期間にわたって稼ぎ続けることも可能です。この場合、いったんネット上に公開した記事は、継続してアクセスを集め広告収益をあげてくれますので、極端な話、放置したままでも収入が得られるということになります。
もちろん、失敗すれば、どんなに時間をかけて記事を書いても収入はゼロ、という可能性もなくはありません。
トラベルライターはいくら稼げるのか
現実的に、トラベルライターというのはいくら稼げるのでしょうか。
クラウドソーシングなどで募集されている旅行記事案件のうち、多いのは1本1000~1200文字で、300~800円くらいが主流だと思います。記事作成だけでなく、画像が必要な場合は、報酬が高めになることもあります。
記事を1本書くのに必要な時間は人によっても、内容によっても異なるので、厳密には計算しにくいですが、ざっくりと平均した場合、1000文字程度の記事で1時間くらいではないでしょうか。ただし、画像選定を含めると、1.5時間以上かかることが多いでしょう。
つまり、時給換算にすると400~500円くらいになるということです。もちろん、経験を積めば報酬単価が高くなる可能性は大きいです。
クラウドソーシングではなく、旅行系メディアと直接契約する場合は、もう少し単価が高くなるケースが多いです。中には1本記事を書いて数千円という案件もあると聞きます。
自分でメディアを運営する人は?
ただし、これはクライアントから依頼を受けて記事作成するタイプのトラベルライターの話です。自分で旅行系メディアを運営しているトラベルライターの収入は、それこそピンキリです。成功している人は、普通の会社員の年収をはるかに上回る金額を手にしているとも聞きます。
しかも、一度立ち上げた旅行メディアは、軌道に乗れば、安定して収益をもたらしてくれるものです。つまり、自分が眠っている間も、旅行先ではしゃいでいるときも、メディア(ブログがサイト)が勝手にお金を稼いでくれるんです(もちろん、メンテナンスは必要です)。
ですので、1時間で書いた記事が、その後数年にわたって毎月数千円稼いでくれるという、ラッキーなこともあります。
滞在する国の生活レベルにもよる
たとえば、トラベルライターとして1年間世界一周旅行にでるとしましょう。旅する国によっては、滞在に必要な費用が非常に安い国もあります。そのような国で生活しながら、トラベルライターとして仕事を続ければ、大きな収入を得ていなくても食べていくことはそう難しくないかもしれません。
また、長期にわたって日本を離れる場合、海外転出届を出すケースもあるでしょう。その場合は、日本の税金や保険、年金などのうち、払う必要のないものも出てきます。これは、ケースバイケースなので、ご自分で市役所などで確認してください。
前もって準備を!
ただし、私は無謀な長期旅行や、貯金なしで始めるトラベルライターとしての生き方を奨励しているわけではありません。自分でブログなどを運営するとしても、メディアを立ち上げてすぐに広告収益が発生するわけではありません。
また、貯金ゼロで外国に長期滞在したいと言えば、その国の入国審査で拒否される可能性もあります。
旅行しながら好きな旅行記事を書いて、旅費を稼ぎつつ、旅を続ける。旅行が好きなら夢のような生活ですが、きちんと準備さえ行っていれば、実現することは可能です。
自分でブログなどを運営しながら、記事作成の仕事を依頼してくれるクライアントも大切にする、というスタンスで、しっかりと準備をしながら夢を現実のものにしてください!